湯灌の儀

湯灌の儀とは?

湯灌の儀とは、故人様をただお洗いするだけではなく、故人様が御生前よりお持ちの痛みや苦しみ、怪我や病気、また心の悩みまでも洗い清められるとされている、とても大切な儀式でございます。
病院などでは、アルコールなどでお身体の清拭はしてくれますが、実際にシャワーで頭やお身体を洗うまでの事はしてくれません。
長い闘病生活でお風呂に入れなかった故人様、生前お風呂が好きだった故人様など、ご遺族の皆様と一緒にして差し上げる最大の供養にもなります。
一生の仕事を終えられ、新たな世界へ旅立たれる故人様。身支度をし、新しい気持ちで心残りなく故人様を送り出して差し上げるのが湯灌の儀でございます。
故人様の旅立ちのお手伝いをさせて頂くスタッフは、ご遺族様のお気持ちを十分に思いやり、故人様に対して心から尊敬の念を持ち、ご遺族の皆様になりかわりまして、心温まるお手伝いをさせて頂きます。

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湯灌の流れ

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ご遺族様にご挨拶をさせて頂き、故人様に御参りをさせて頂きましたのち、準備を始めさせて頂きます。

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ご遺族様の皆様に逆さ水(かけ湯)の儀式をして頂きます。

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洗髪、洗体、髭剃り、うぶ毛剃りをさせて頂きます。急激な体温上昇により故人様のお体を痛めないように、シャワー入浴をさせていただいております。

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白装束を着て頂き身支度を整えます。また故人様が生前にお好きでしたどのような服装でもお着替えさせて頂きますので、ご安心下さいませ。

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着付けのお直しやお顔周りに綿花にてお飾りをさせて頂きます。故人様が生前に愛用されていた品物などもお棺にお納め頂けます。

※地域や火葬場により異なります。

湯灌の歴史

「湯灌」はわが国では古くから行われている儀式で、故人様がお亡くなりになった時に家族や親族が集まり、皆様で故人様の体を洗い清めるという昔からの習慣です。戦前までは家庭で普通に行われていた儀式でしたが、産業が発達し、住宅事情や核家族化などの生活環境の変化が起こると湯灌に関しても状況が変わってきました。
病院で亡くなる場合が多くなり、家族や親族だけて湯灌を行うこと自体が少なくなり、死後の遺体処理として病院で行われるアルコールでの清拭処理だけで、湯灌をしなくなることも多くなりました。
湯灌には、赤ちゃんが生まれたとき、産湯につかるように、新たに来世に生まれ変わるという願いも込められています。わが国で古来より受け継がれてきた湯灌は、人として尊厳あるお別れと新たな旅立ちの儀式となります。

ご遺族からのご感想

先日は父の葬儀でお世話になりまして誠にありがとうございました。
長い闘病生活が続きお風呂には最後まで入る事が出来なかったので、葬儀社の方に湯灌を勧められた時に、こんなサービスがあるのを知って大変嬉しく思いました。
見てびっくりしたのが、身内以上に丁寧に父を扱って下さり、本当に穏やかな顔になったので、見ている私たちもとても温かい気持ちになりました。
父が亡くなり寂しい気持ちもありますが、この湯灌のお陰で父に心から「お疲れ様」と「ありがとう」と言えました。
お世話して下さった職員の皆様、本当に有難うございました。心からお礼を申し上げます。

(こちらに載せている感想文はご遺族の方の了承を頂きまして記載させていただいておりますが、プライバシー保護の為、お名前は伏せさせて頂いております。)